株式会社トプコン

「ショールーム」をバーチャル化。一新させた企業のブランドイメージを伝える一手とは?

株式会社トプコン様は、“トプコンは「医・食・住」に関する社会的課題を解決し、豊かな社会づくりに貢献します”を経営理念に掲げ、現在は「医(ヘルスケア)」「食(農業)」「住(建設)」それぞれの分野における社会的課題を、最新のDXソリューションで解決する取り組みをグローバルに展開しています。

創業は1932年、旧社名を「東京光学機械株式会社」といい、今年創立90周年を迎えました。しかし、伝統あるB to B企業だけに昔からの光学機器のイメージが拭いきれず、最新のDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みをどう伝えるかが課題となっていました。

その課題を解決すべく、THETA 360.bizを活用してバーチャルショールームを用いて会社紹介をしている事例を紹介いたします。

広報・IR部 広報課の中村様、瀬山様にお話を伺いました。

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バーチャルショールーム導入前の課題について

トプコン様が、会社紹介でバーチャルショールームを導入する前に感じていた課題を教えていただけますでしょうか。

 

弊社が現在取り組んでいるグローバルへのDXの取り組みを広く皆さまに理解して戴きたい、というのは全社的な課題でした。特に前からトプコンを知っている方は「板橋の光学機器工場」で未だにカメラや測量機、眼科用医療機器を製造している会社というイメージが抜けきっていないこともあります。

 

企業のホームページや会社案内の冊子だけでは、事業の詳細まではなかなか理解してもらえない。お客様にショールームへお越しいただいて、事業の説明をして、やっと会社や事業コンセプトのことをわかってもらえる。それくらいショールームの有効性を感じていたため、ショールームを改善することで、より理解を深めて頂けるものにしようと考えました。

 

なるほど。それでは実際にどのようにショールームを進化させてきたのでしょうか。

 

今から5年ほど前は製品の陳列を中心としたものでしたが、各事業が行っているビジョンとコンセプトを伝えられるようにしようという思いを持って、ショールームを刷新しました。弊社の「医・食・住」のDXソリューションによって世の中をどう変えていくのか。例えばヘルスケアだったら身近な眼鏡屋さんで眼の健康診断ができるようになるなど、あるべき将来の姿を想像してもらえるように、常にショールームを改善し続けています。

 

ただし、対面でお客様に説明できる人のリソースは限られており、実際にショールームにお越しいただいて見てもらう人数には限界がありました。

 

そこで、お客様に来社していただかなくても、より多くの方にショールームを見て現在の当社を理解して欲しい、という思いからバーチャルショールームの導入を決めました。

 

 

<トプコン様 バーチャルショールーム>
 

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THETA 360.bizを使い始めたきっかけ、背景

バーチャルショールームを作成するにあたり、THETA 360.bizを採用した理由はなんだったのでしょうか?

 

まず、イメージとしてはGoogleのストリートビューのようなものを作りたい、というところから始まりました。その中で、イメージとドンピシャであったのがTHETA 360.bizでした。実際に使用してみてTHETA 360.bizはかゆいところに手が届くサービスという印象があります。

 

撮影については代行サービスをお願いしているのですが、アフターサービスの対応が早く、撮影場所のコツやよく見せるためのアドバイスまでしてくれるので非常にありがたいです。

 

THETA 360.bizの機能面で言うと、個人情報保護の為、ぼかし機能があるところが良いです。また、ツアー作成の操作方法も簡単で、例えばしっかりとお客様に説明したいポイントでは、アノテーション機能でYouTubeの動画を埋め込むなどして説明ができるので非常に効果的です。

 

「事業説明であればショールームの紹介動画を作って流せばよいのでは?」という話もありますが、それだけだと弊社からお客様への一方通行になってしまいます。バーチャルショールームですと、お客様のペースで見たいものを見てもらうことができる。その中でも、特に興味を持ったものについて動画で見てもらうということができるので、理想的な形になったと思っています。

 

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THETA 360.bizで期待した効果とその反響

バーチャルショールームの導入で期待していた効果、実際の反響がどうだったかを教えていただけますでしょうか?

 

例えば新規取引のお客様とオンラインで打合せをする際にも、事前にショールームを見てもらえるため、各事業のコンセプトを理解していただいた段階から、話を進められることが多くなりました。実際に「事前に見ましたよ、こんな風に取り組まれているんですね」と声をいただくこともあります。

 

具体的にどのようなお客様に良い効果がでているのですか?

 

お客様の中には企業の経営層の方々や投資家、学生、銀行、官公庁の方がいます。一般の方々には普段目にすることが少ない当社の製品をアノテーションを使って伝えることで、どこで使われている製品なのかを分かり易く伝えることができ、実際に「実はこんな身近にあったんですね」という声がありました。

 

それ以外にも採用(リクルート)関係でも良い効果が出ています。学生の方からも「バーチャルショールームがわかりやすく、事業内容に対する理解がより深まった」というお声をいただいています。コロナ禍の影響で採用や商談がオンライン化する中でも、当社の魅力を伝えられるのは大きなメリットだと思っています。

 

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今後の展開について

今後のトプコン様の展開についてお聞かせください。 

 

山形・福島に工場があるのでショールーム同様、工場のバーチャルツアーを作成し、Webサイトで工場見学ができるようにしたいと思います。実際の製造ラインをご覧いただき品質のこだわりや、出荷前検査の模様を動画と組み合わせご紹介できればと考えています。

 

また、クリーンルームなど普段人が入れない場所を見せられるのもバーチャルショールームの大きな利点です。特に当社の精密な測量機器や眼科医療機器は品質が非常に重要なので、工場の様子を見せることでお客様に安心をご提供できると考えています。

 

また、海外グループの製造や開発拠点も紹介できるようなコンテンツも良いと思っています。インナーコミュニケーションのチームビルディングの観点で、海外グループ会社が何をしているのかを知るきっかけとして将来的に利用していきたいです。

 

今後のTHETAのソリューションに期待することはありますでしょうか?

 

カメラの解像度のさらなる向上に期待したいです。ズームした際にポスターの文字などが見られるくらいまで解像度が上がると、アノテーションの数が減り、より見やすいビューになると思います。

 

また、どこが一番見られているのか、どの地点に、どのくらい滞在していたのかがわかるアナリティクス機能があるとありがたいです。お客様がバーチャルショールーム上で興味を持った箇所が分かれば、より今後の改善にもつなげられるようになると思います。

 

貴重なお話をいただきどうもありがとうございました。

 

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