東急建設株式会社

エンドユーザー様にも広がる活用の場。社内の業務効率化だけではないバーチャルツアーの利用法とは?

東急建設株式会社様は、東京都渋谷区に本社を置く総合建設会社。多摩田園都市をはじめとする渋谷や東急沿線の街づくりを原点として、企画提案から新築、リニューアル、建て替えに至るまで、街のライフサイクルに末永く関わっていくことによって、常に新たな価値の創造に努められています。

そんな東急建設様のTHETA 360.bizの活用方法について、今回は都市開発支店 鉄道土木部の鈴木様と、土木事業本部技術統括部土木設計部 ICT推進グループの増村様にお話を伺いました。

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工事現場からエンドユーザーへ

この度THETA 360.bizを導入いただいたプロジェクトの概要についてお聞かせください。

鈴木:私は都市開発支店 鉄道土木部に所属しております。今回は、渋谷駅西口の暫定駅前広場整備工事に従事しました。この工事では、渋谷駅西口広場の形状変更に伴い、24か所もあるバス停の位置を変更する必要がありました。

 

特に離れた場所にバス停を移設する場合などは、バス停を利用するお客様へ、移動先をお知らせする必要があります。お客様へ新しいバス停へのルートをより分かりやすくご案内するツールとして、THETA 360.bizのバーチャルツアーを活用しました。

  

 

今回、どのような理由から「THETA 360.biz」を採用されるに至ったのでしょうか。

鈴木:従来は、工事に伴うバス停の移動の際は、もともとバス停があった場所に移動個所を示した案内図を掲示して対応していたのですが、「解りづらい」などのご意見を頂くことが多いのが課題でした。

 

施主である東急株式会社様から、「何かわかりやすくご案内できる方法はないか」というお話をいただいたため、

元々、工事打合せ等で使用していたTHETA 360.bizを応用して、バーチャルツアーをお客様向けに加工できないかと弊社のICT推進グループに相談したのがきっかけです。 

 

増村:私の所属するICT推進グループでは、現場に ICT 機器やデジタル機器を取り入れて、現場の業務の効率化を推進する業務を主に行っています。弊社では、今回の案件より以前から、鉄道工事現場の作業進捗を関係者の間で確認・共有できるようにする目的でTHETA 360.bizを取り入れていました。 
 

工事の現場では、THETA 360.bizの導入によって、1回の写真撮影で撮影場所周辺を把握できるようになり、大幅に業務の効率化ができるようになりました。関係者からの反応も非常に良かったため、今回の一般利用者向けのご案内にも活用できると考えました。 

 

鈴木:360度周囲を見渡せて、現地までの道のりを実際に歩いているかのように体験できるバーチャルツアーであれば、従来のような平面の地図よりも迷うことなく新しいバス停まで移動できます。また、撮影した画像に書きこみを行うことで、文字入りのバーチャルも作成できるため、これならばと先方に提案したところ、「ぜひやろう」とすぐに採用が決まりました。 

 

具体的な案内の仕方としては、もともとバス停があった場所にQRコードを掲示し、そのコードを読み込むとバーチャルツアーが表示され、お客様を新しいバス停まで視覚的にご案内できるようにしました。

(QRコード読み込み後のバーチャルツアー↓)

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撮影はたったの10分、バーチャルツアーの作成は最短15分!

「THETA 360.biz」を使ったバーチャルツアーの撮影・制作業務は、どのように行われていますか? 

鈴木:撮影は、バス停の移動のタイミングで、人の少ない早朝の時間にRICOH THETAを使って行いました。従来のバス停から新しいバス停まで、バーチャルツアーに使用する写真を撮り終わるのに4~5画像7分程度で撮影ができます。 

 

撮影した写真をオフィスに持ち帰って編集を行います。早朝と言っても渋谷駅は人が多いのですが、通行人の顔にモザイクをかける作業と、画像に文字入れや現在地などの案内を入れる作業でだいたい1画像5~10分程度ですね。

 

バーチャルツアー自体の制作は非常に簡単なので、15~20分ほどで出来てしまいます。 

 

実は、「THETA 360.biz」には、2021年の2月に管理コンソール上でぼかしを入れる機能が追加されました。この機能をご活用いただければ、作業時間もご短縮いただけると思います。 

鈴木:それは嬉しいですね。これまでぼかしを入れるためにかなりの時間を要していたので、撮影した画像を編集するのではなく、管理画面上でぼかしを入れられるのであればかなりの作業時間短縮になると思います。  

 

また、これは要望ですが、今後はバーチャルツアーに、「矢印をタップしてみてください」といったような音声が追加できる機能があったらより便利なのではないかと思います。初めてバーチャルツアーを見る方には、操作方法が分からない方もいらっしゃるかと思うので、次の動作を促す音声があると分かりやすいのではないでしょうか。

 

 

貴重なご意見ありがとうございます。今後もより便利にお使いいただけるよう、機能を充実させてまいります。

増村:「THETA 360.biz」のログイン画面には、時々新機能追加のお知らせが表示されていますよね。今後もこまめに追加情報をチェックするようにします。

 

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お問い合わせが大幅に減少!

実際にバーチャルツアーを導入した後、一般の利用者の方からの反応はございましたか? 

鈴木:私たちはバス停を利用するお客様とお話をする機会がないので、直接のお声ではないのですが、従来であれば工事期間に3~5回ほど来ていたお問い合わせのお電話が今回はありませんでした。バス停に掲示する案内図には、お問い合わせとして弊社の連絡先を主に掲載しておりますので、それを見てのお問い合わせが導入後になかったことで、バーチャルツアーのご利用をいただけていたのではないかという手ごたえは感じています。 

 

また、お問い合わせのお電話だけではなく、従来は工事期間中に警備員の方に声をかけるお客様も多くいらっしゃいました。今回に関しては、警備員の方にヒアリングをしてみたところ、そのような困りごともあまり出ている様子はなく、少なくとも迷われたお客様が従来よりも少なかったのではないかと考えています。従来あった電話や警備員への問い合わせが導入後に少なくなったというのは、取り組みとしては一定の効果があったのではないかと評価しています。 

 

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エンドユーザーとの情報共有で広がる可能性

「THETA 360.biz」を使った今後の展望についてお聞かせください。 

鈴木:駅の工事現場などに携わっていると、小さなお子様などの一般利用者の方々が、工事中の仮囲いの中を見たそうにしたり、興味を持ってくださることが時々あります。仮囲いの外に今回のようにQRコードを設置して、見たい方に工事の様子や、仮囲いの中の状況をお見せすることができたら面白いと思います。

 

工事関係者だけでなく、工事や新しくなる設備に興味を持ってくださる方に、工事中の状況を少しでも見ていただけるのであれば楽しいですよね。これまでは関係者間での施工状況の共有のために使っていたバーチャルツアーですが、今回のプロジェクトで一般の利用者の方向けに活用の幅が広がったと感じでいますので、今後もそのような活用ができたら良いと考えています。 

 

ありがとうございます。これからも、「THETA 360.biz」を多方面でご活用いただければ幸いです。 

 

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